お仕事のこと
2022.06.22
成年被後見人(認知症の方など)所有の財産を譲渡した場合の確定申告
こんにちは
愛知県の相続専門税理士
石文妙子です
今日は、認知症などを発症したかたがホームなどに入居されて
住んでいたご自宅などを売却された場合のお話
認知症を発症するとご自分の意志だけでは財産を売却することなど
できず、成年後見制度を使って成年後見人を選任します。
中々、親族では認められない場合もあり弁護士さん等に費用をお支払いして
なって頂くことが多いと思います。
弁護士さん等が成年後見人になり、家庭裁判所への売却許可申立をして
許可されて売却が成立しますので通常より売却までにお時間を要することが
多いと思います。
売却が成立してからが税理士の出番でしょうか
通常の確定申告と違うところ
●氏名
成年被後見人の氏名の後に 成年後見人の氏名
(例) 山田 太郎 成年後見人 弁護 士郎
●住所
住所は、成年被後見人が住んでいる住所を記載します。介護施設などに入居して住民票を移している事が多いので注意が必要です。
成年被後見人の住所の下に成年後見人の住所を記載します。
(例)上段 江南市●●町△△2-15
下段 成年後見人 名古屋市中区△3-1
●注意点
① 成年後見人がいるということは障害者控除・特別障害者控除が受けれる可能性が高い
② 医療費控除が受けれる可能性が高い
③ 家庭裁判所への売却許可申立費用も譲渡の為の費用に入る
④ 居住用不動産の売却の場合は、3000万円特別控除など、要件を満たせば使うことができる。
⑤提出先は成年被後見人の住所地の所轄税務署に提出
しつこいようですが、介護施設などに入居して住民票を移している事が
多いので注意が必要です。
確定申告は譲渡があった年の翌年2月16日から3月15日ですが
最近は金額だけ早めに計算してほしいと言われる方も沢山見えます。
医療費控除など、来年以降でなければわからないことも多く
最終的には少し金額が変わってきますが
そのことを前提に早めに計算させていただくこともあります。
居住用不動産の売却の3000万円控除は
住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
等要件がありますので、売却を検討される場合は注意が必要です。